本記事ではビットコイン版NFTとも言われる「Ordinals」について解説していきます。
最後まで読んでいただければ
Ordinals=ビットコインのNFTなんでしょ?
という短絡的な発想はなくなると思います。
Ordinalsの作成方法を知りたい方はこちらから本編ショートカットできます。
NFTとOrdinalsの違いを整理しよう
先にNFTとOrdinalsの用語違いについて整理しましょう。
NFTを触っている方であれば、一度は耳にしたことがある用語でもOrdinalsでは用語が異なります。
ETH | BTC | |
---|---|---|
名称 | NFT | Ordinals(デジタルアーティファクト) |
最小単位 | ETH | satoshi(通し番号:Ordinal Theory) |
製造 | Deploy | inscription(碑文) |
動詞 | mint(鋳造)する | inscribe |
画像データ | 別サーバ保管(オフチェーン) | オンチェーン |
これらを踏まえた上で、Ordinalsとは何かを解説していきます。
ビットコインNFT「Ordinals」とは
従来のイーサリアムNFTは、一般的に「スマートコントラクト」により画像を表示しています。
ブロックチェーンには直接書き込まず、参照先となるURLを書き込むことで画像は別のサーバに置いてある状態。
スマートコントラクト機能により、小さな容量しかないイーサリアムブロックでもNFTとして画像を表示できるようにしています。
Ordinalsは、直接ブロックチェーンに画像となるデータを書き込んでいて「デジタルアーティファクト」と呼びます。
つまりOrdinalsは、BTCブロックチェーン上に直接書き込むフルオンチェーンNFTのことです。
Ordinal Theory(Sats number)とは
ビットコインを1億分の1=1satoshi(最小単位)とし、satoshiを識別すべく通し番号を振っていきました。
この通し番号をOrdinal Theory(Sats number)と呼びます。
ビットコインは2,100万枚と発行上限が決まっています。
Satoshi換算で最大21,00兆個に固定されることから、若い番号に価値を見出している取引も見られます。
Inscribe(インスクライブ)とは
Ordinalsは、satoshiという最小単位に画像や文字といったデータを直接書き込むオンチェーンで作成されています。
このsatoshiにデータを添付するプロセスを「Inscribe:インスクライブ」、関連付けることをInscription:インスクリプションと言います。
Inscription番号が小さいほど早くInscribeされた(刻まれた)証です。
NFT用語で言うミント=インスクライブですね
Ordinalsは非公認?想定外の使われ方
ビットコインブロックは従来の設計では、1MB分の取引データしか保持できませんでしたが2017年に登場したSegWitアップデートにより、4MBまで引き上げられました。
さらに2021年後半に表面化したTaprootアップグレードは、実際にInscriptionを容易に、ユーザーがSatoshiにタグ付けできるようにしました。
つまりSegwitアップデートでブロック容量が増え、Taprootでデータに直接書き込む機能が加わることに。
ただ、このTaprootはBTCアップデートにおける想定外の使われ方。
そのため、ビットコインの開発メンバーからは「ビットコインは画像の保存をサポートしていません」としてOrdinalsを認めていません。
従来のNFTとOrdinalsの違いとは
従来のNFTとOrdinalsは4つの観点で大きな違いがあります。
それぞれ解説します。
高い透明性
Ordinalsは、ビットコインのベースレイヤーに直接Inscribeすること(オンチェーン)で画像を生成します。
チェーンに直接書き込むため、ブロックチェーンの性質上一度生成したOrdinalsの改ざん・コピーは不可能。
一方フルオンチェーン以外の従来型NFTは、画像データはブロックサイズが小さいためブロックチェーンに書き込めません、
そのため、別サーバに置いてあるNFTの画像データを呼び出すことで表示させています。
当然ながら画像データ保管サーバーがクラッシュすると見れなくなるほか、参照先を変更するなどの運営都合による変更が可能。
Non-Fungible Tokenとは?
高度なセキュリティ
イーサリアムでは、NFT取引がベースレイヤーとは異なるレイヤー2で処理されます。
しかしOrdinalsでは、ビットコインのベースレイヤーで直接処理されます。
この処理で発生するメリットとして不正やスキャムが入り込む余地がないこと。
イーサリアムでは、異なるレイヤーでの処理が必要なため、そのタイミングで不正やスキャムが入る可能性がありました。
スキャムによる「Set Approval for All」が代表例ですね
しかし、ビットコインにはメインレイヤーでの送金処理しかなく、その中で直接取引されます。
つまり不正・スキャムが入り込む余地が非常に少なくなるので安全性が高いと言えます。
格段に高い希少性
Ordinalsは希少性が通常のNFTと異なる性質を持っています。
Ordinalsは、2,100万枚と発行上限があるビットコインのブロックチェーンに書き込まれています。
理論上、satoshi換算で最大2兆1,000億個が上限のため、これ以上Inscriptionできません。
従来型NFTは、同一のデータから複数枚NFTがミントできるので、本当の意味で希少性が担保されているかは難しいところ。
また、メタデータ参照先(画像が置いてあるサーバー)を変更してしまえば画像変更も可能。
希少性をうたうNFTとしてはパンチが弱い点でもあります。
Non-Fungible Tokenとは?②
ロイヤリティが存在しない
NFT取引の象徴ともいえる「ロイヤリティ」が、Ordinalsには存在しません。
Inscriptions do not pretend to support on-chain royalties.
On-chain royalties are a good idea in theory but not in practice. Royalty payment cannot be enforced on-chain without complex and invasive restrictions. The Ethereum NFT ecosystem is currently grappling with confusion around royalties, and is collectively coming to grips with the reality that on-chain royalties, which were messaged to artists as an advantage of NFTs, are not possible, while platforms race to the bottom and remove royalty support.
Inscriptions avoid this situation entirely by making no false promises of supporting royalties on-chain, thus avoiding the confusion, chaos, and negativity of the Ethereum NFT situation.
https://docs.ordinals.com/introduction.html
上記はOrdinalsの産みの親「rodarmor」氏の「Ordinal theory」に書かれています。
ロイヤリティは非常にいいアイディアであると前置きした上で、プラットフォームはロイヤリティを削除し続けていると言っています。
Ordinalsはオンチェーンでロイヤリティを徴収できないためイーサリアムNFTの状況における混乱を回避できるとしています。
クリエイターやプロジェクト運営としては悩ましいところです。
Ordinals取引のウォレット種類を理解しよう
Ordinalsはビットコイン(BTC)に対応していないメタマスクでは取引できません。
ビットコイン版NFT「Ordinals」専用のウォレットが必要です。
そのうち、取引所専用ウォレット
スマホアプリ対応
Google Chrome拡張機能
となっています。
今注目のMagicEdenではXverse、Unisat、Hiroに対応しています。
Ordinals Walletの作成方法
いまOrdinalsが最も多く取引されているOrdinals wallet。
Ordinals Walletは取引所とウォレットが紐づいているパターンのため、専用ウォレット作成して取引が可能になります。
メタマスクを作成した経験があれば、似たような形で作れると思います。
簡単に作成方法を見てきましょう。
Xverseのウォレット作成に飛びたい方はこちらからショートカットできます。
ウォレット作成方法をスキップする方はこちらからOrdinalsのプロジェクト例に飛びます。
Ordinals Walletにアクセス
はじめに、Ordinals walletにアクセスしましょう。
「Create wallet」からウォレット作成に入りましょう。
ロック解除パスワード設定しよう
「Create new wallet」から進めます。
ロック解除となるパスワードを設定し、「Generate seed phrase」をクリックしましょう。
秘密鍵をメモしよう
お馴染みのシードフレーズ(秘密鍵)です。
メタマスク同様、番号とワードを記録して誰にも開示しないようにしましょう。
この次の画面でさっそく使いますよ。
秘密鍵を選択しよう
先ほど記録した秘密鍵を表示されている番号に合わせていきます。
表示されている若い番号順に下に表示されている秘密鍵から順番にクリックしていきましょう。
秘密鍵を間違いなく順番に当てはめていけば「Success!」と出ます。
入力ミスは選択した段階で赤く表示されますのでやり直しましょう。
無事に完成しました。
最後にアラートが表示されます。
BTCとOrdinalsだけだよ〜
Xverseウォレット作成方法
Xverseは、スマホアプリとGoogle Chromeの拡張機能両方備えています。
メタマスクと同じ感じです
ここではXverseアプリでのウォレット作成と、ブラウザ版への反映方法をまとめています。
作成方法をスキップする方はこちらからOrdinalsのプロジェクト例に飛びます。
Step1:Xverseスマホアプリを入手する
アプリセットアップ→ブラウザ版への連動方法についての手順を解説してきます。
まずはXverseアプリを入手しましょう。
Step2:Xverseウォレット新規作成に入る
アプリを起動し、「Create α new wallet」から新規作成に入りましょう。
Legalは特に閲覧せずに「Accept」から次に進めます。
続いて「Back up now」でウォレット秘密鍵管理画面に移行しましょう。
Step3:Xverseの秘密鍵を管理しよう
12個の秘密鍵が表示されます。番号とワードを紐づけてメモしておきましょう。
「Countinue」でさっそく次の画面で使います。
「Confirm Seed Phrase」で先ほどの秘密鍵を順番にタップして入力し、完了したら「Next」へ。
Step4:アプリロック解除方法を選択しよう
秘密鍵入力が完了すると、「Security」画面に。
- Biometric/PINは、生体認証でロック解除する方法。
- Password Securityは、文字通りパスワードでロック解除する方法。
ここではBiometric/PINで進めています
生体認証が通らない場合のPINコードを設定します。
2回目の入力も先ほど設定したPINコードを入力してください。
PINコード設定後、生体認証(Face IDや指紋認証)でのXverseロック解除していいか求められます。
「Yes」を選択しましょう。
スマホのセットアップ完了です。
Xverseアプリとブラウザを連携しよう
Xverseアプリができたら、パソコンのブラウザ版と連携させましょう。
順番に解説しますね。
連携させずにOrdinalsの作品紹介に進みたい方はこちらからショートカットできます。
Google Chromeの拡張機能を追加しよう
メタマスク同様、Google Chrome版の拡張から機能追加できます。
Xverseの拡張機能追加はこちらからどうぞ
拡張機能追加したら起動しましょう。
アプリと連携1:Restore walletから入る
「Restore Wallet」をクリックして進めましょう。
「Skip」で飛ばしても問題ありません。3ページほどあります。
Legalの「Accept」を押しましょう。
アプリと連携2:秘密鍵を入力する
この画面でアプリの秘密鍵を入力してください。
各秘密鍵の間は半角スペースを入れましょう。
次にパスワードを設定します。
このパスワードは、ブラウザ版のロック解除となる新規パスワードです。
「Continue」から次に。
再度同じパスワードを入力しましょう。
これで設定完了です。アプリとブラウザで同じウォレットアドレスで管理できますよ。
Ordinalsのプロジェクト例
Ordinalsを代表するプロジェクトを3つ紹介いたします。
それぞれ見ていきましょう。
Bitcoin Rocks
Bitcoin Rocksは、イーサリアムの「Ether Rock」を模倣したプロジェクト。
Ether Rockはブロック上で最も古いNFTのひとつと言われていますが、Bitcoin Rocksもそれに習って発売されました。
Inscriptionは250番以内に刻まれており、デジタルアーティファクト界の初期プロジェクトと言われています。
Pixel pepes
Pixel pepesは、Ordinals史上初のエアドロップされたデジタルアーティファクトで運営はなんとOrdinals wallet公式!
Ordinals walletの実装初期段階で活用していたユーザーに対してエアドロップされたもの。
1,563体と発行数も非常に少ないのも希少性に加えてこのPixel pepes保有者に、追加のエアドロップもあるなど現在でも人気コレクション。
Ordinals walletで最も人気のコレクションとして現在でも売買が活発に行われています。
TwelveFold
TwelveFoldはBAYCなど展開するNFTプロジェクト「Yuga Labs」による初のOrdinalsコレクション。
たった1日で15億円を稼ぐなど流石の実力人気っぷりを発揮。
Yuga LabsがOrdinalsのコレクションを出した背景には、ETHが「有価証券」として訴えられたことが原因ではないかと言われています。
ETHが有価証券・投機商品としてみなされることで、公に資金提供を受けられなくなってしまいました。
そのため「Yuga Labs」もイーサリアムからOrdinalsへ移行しようとした動きではないかと見られています。
Ordinalsが売買できるマーケットプレイス
ビットコインNFTとも言われるOrdinalsですが、世界最大のNFTプラットフォーム「OpenSea」や「Blur」では取引できません。
Ordinalsは2023年1月に登場したばかりで、Ordinalsに対応しているプラットフォームもごくわずか。
2023年4月現在、Ordinalsが取引できるマーケットプレイスは5つ。
ここではOrdinalsが取引できるマーケットプレイスを順番に解説します。
Magic Eden
MagicEdenは、現在クリエイターフィー問題で揺れるNFTプロジェクトから注目を集めるマーケットプレイス。
理由は、クリエイターフィー(ロイヤリティ)を保護する方針を打ち出したこと。
以前はSolanaのみの取扱いでしたが、イーサリアムとビットコインにも対応したことで今最も注目されているマーケットプレイスです。
大規模な資金調達等繰り返し実施し、多数のプロジェクトローンチパートナーとしてシェアを拡大。
いまOrdinals取引で最も多くのユーザー数・取引金額・取引量を誇っています。
こちらの記事でマジックエデンにてオーディナルズを買う方法をまとめています。
Ordinals Wallet
Ordinalsの取引金額・量・ユーザー数が最も大きかったマーケットプレイスは、Ordinals walletでした。
(上記データは2023年3月時点です)
グラフの🟣がOrdinals walletです
独自ウォレットと紐付いているため、ウォレット作成と同時にマーケットプレイスが利用可能。
メタマスクを作成できた方であれば、問題なくサクッと作成できるでしょう。
スマホアプリはなく、ブラウザのみですがウォレット+独自マーケットプレイスの開発等含め、すべて自前で調達して運営しています。
ordinals.market
Ordinals .marketは、Ordinalsを最初に発売した取引所。
特徴は、ETHで取引可能な点。
Emblem Vault(エンブレム ボールト)と呼ばれるツールを利用して、Ordinalsをイーサリアム上のNFTに合わせているため、ETH支払いが可能になっています。
Ordinals出品はOrdinals Market運営の審査通過が必要。
OpenSeaに似たサイト設計のため、使いやすい印象を受けます。
市場シェアはOrdinals wallet・Magic Edenに大きく水を開けられています。
Gamma
Gammaは、ビットコイン専門のマーケットプレイス。
Ordinalsの他、ビットコインのレイヤー2であるSTACKS(スタックス)を扱うアーティファクト専門マーケットプレイスです。
市場シェアは低いものの、GammaからOrdinalsを気軽に作成できるのが特徴です。
Ordinalsを作成する方法
Ordinalsはプラットフォームを利用することで簡単に作成できます。
作成できるサイト
Ordinals作成に必要なもの
作業を細分化して8ステップで作成できますよ。
Ordinals作成サイトにアクセスする
オリジナルOrdinals作成は、プラットフォーム経由で簡単に作成できます。
ガス代とサイト手数料によりそれぞれ必要なコストが変わるので注意してください。
ここではCray pepe作成時に使用したUniSatを例にまとめています。
基本的な流れは同じようなのでぜひチャレンジしてみてください。
UniSatでインスクライブしてもOrdinalsWalletやMagicEdenに出品は可能です。
最初にUniSatにアクセスします。
satに刻むデータをアップロードする
デフォルト画面で「Files」選択になっていると思います。
その中にsatに刻むデータをアップロードしてください。
受け取るBTCアドレスを入力する
データをアップロード後、すぐ下にある空欄「Provide〜」にOrdinalsを受け取るBTCアドレスを入力します。
ネットワーク手数料を見積もる
アドレス入力後、ネットワーク選択で手数料が自動見積もりされます。
「Submit&Pay invoice」でネットワーク使用料を選択し支払います。
ここでは「Economy」を選択しています
手数料を支払う手続きに入る
「Submit&Pay invoice」をクリックすると、支払い画面に移行します。
支払い方法を選択しましょう。
私はBTC払いで支払い金額と支払い先アドレスをコピーしました
ネットワーク使用料を支払う
BTCが入っているウォレットを開き、「Send」からコピーしておいた送金先アドレスを貼り付けます。
送金金額も間違いないように入力しましょう。
Ordinals Wallet→自分のアカウントクリック→「Send」しました
パスワード入力してロック解除します。
支払いに間違いないか、再度チェックしてねとのアラートが出ます。
間違いないことを確認したのち、「Comfirm」をクリックしてください。
「Success」が出ればOK。「View transaction」から推移をチェックできます。
トランザクションを確認
こちらが直後のトランザクションです。▲カーソルがある部分はトランザクションの現在地。
中央の点線から右側に移動したらウォレットに届きます。
UniSatで状況をチェック
UniSatに戻ると、「Complete」と表示されていました。
ネットワーク手数料の着金完了で表示されるようです。
送金先・送金金額に間違いなければ着金まで待ちましょう。
ちなみにUniSat Walletを利用していれば、すぐにOrdinalsが受け取れるそうです。
Ordinalsは将来性ある?
Ordinalsは、誕生が2023年1月と非常に若いアーティファクト(NFT)。
先行しているイーサリアムなどのNFTと比べてどんな可能性を秘めているのでしょうか?
ここではOrdinalsの今後を5つの観点で見ていきます。
十分な市場拡大要素がある
ひとつはイーサリアムなどのNFTに乗り遅れた層が入ってくる可能性が考えられます。
すでに何度かバブルを経験した海外NFT市場は、OpenSeaとBlurによるプラットフォーム覇権争いに巻き込まれる形で急速にしぼんでいます。
NFTが単なるトークン同様の扱いになってしまっていますよね
そんなプラットフォーム争いから距離を取れるビットコイン版NFT「Ordinals」は、市場規模がまだまだ小さく争うレベルではありません。
もちろん市場拡大とともに同じような構造になる可能性はありますが、現段階では市場拡大が十分に見込めます。
NFTの概念に一石を投じている
Ordinalsは、イーサリアムなどのNFTに一石を投じていると感じています。
なぜなら、Ordinalsは発行上限が2,100万枚と限られているビットコインに直接書き込むフルオンチェーンだから。
- そもそも仮想通貨に発行上限がない
- 画像などのデータは別サーバーにあり、差し替えや変更できてしまう
イーサリアムは本当の意味でノンファンジブル(代替え不可)なのでしょうか?
OrdinalsはそうしたNFT概念をクリアにしたもの。
発行上限があり書き換えや変更が二度とできない真の意味でNFT、それがOrdinalsと感じる方は少なくないと感じます。
ETHが投機商品扱いになる未来
ETHは、先述の通りETHは「有価証券」として海外取引所KuCoinが訴えられています。
ETHが有価証券・投機商品としてみなされることで、NFTプロジェクトは事業開発にできる資金提供を受けられなくなってしまいました。
そのため、ETHを使っての事業展開は今後できなくなる可能性が浮上。
すでに「Yuga Labs」がOrdinalsを出したように、既存のNFTプロジェクトもOrdinalsに乗り換える可能性も考えられます。
Ordinalsは、イーサリアムなど既存NFTプロジェクトの新たな受け皿となる可能性を秘めています。
ちなみに、ビットコインは十分に分散化されており、米当局は「ビットコインは証券ではない」と認めています。
ブラウザと連動する可能性
Inscription(インスクリプション)は、転送するドキュメントの種類をブラウザに伝えるMIMEタイプで構成されています。
MIMEタイプ?拡張子とは違うの?
拡張子はファイルの種別を分けるのに使いますが、MIMEタイプはさらにもう少し詳しい情報をブラウザに伝えるために使います。
そのため、Inscription(インスクリプション)は、ブラウザに情報を直接伝えられるので連動する可能性が。
OrdinalsとWebブラウザが連動する技術が確立すれば、既存NFTよりはるかに使いやすいサービス提供が広がる可能性を秘めています。
Ordinalsに否定的意見もある
一方で、Ordinalsは反対意見も見られます。
- ビットコインは純粋な決済手段としての金融取引にのみ使われるべきだとの考え
- Ordinalsがブロックチェーンを混雑させる原因に繋がりかねない
ちなみに、ビットコイン主要開発メンバーのLuke Dashjr氏はツイートでこう言っていました。
「ビットコインは画像をサポートしていない」
BTC開発メンバーにとってOrdinalsはビットコインに対するDos攻撃だとみる人もいます。
こうした反対意見があるものの、一度市場で火がついたOrdinalsの勢いを止めるのは難しく、徐々に広がりを見せています。
Ordinalsによくあるトラブル事例
Ordinalsに実際に起こったよくあるトラブルをまとめています。
順番に解説していきますね。
ビットコインが送金できない?
国内の取引所からビットコインを送金しようとすると、送金できないトラブルが判明しています。
Ordinals walletへのウォレットアドレスは「bc1~~」から始まる形式で、直接送金できない国内取引所があるようです。
bitbank・ビットフライヤー・コインチェックは「bc1~~」に対応していない模様。
bitbank・ビットフライヤー・コインチェックを使っている方は、一度Bybitなど海外取引口座を経由しないとOrdinals walletに送金できないので注意してください。
ちなみに、GMOコイン口座からOrdinals walletへは手数料無料で直接送金できました。
Ordnals walletに反映されない!?
ビットコインは着金までの時間がイーサリアムチェーンよりも多くかかります。
体感ベースですが、イーサリアムチェーンの着金が5分だとすると、ビットコインは30分以上〜。
最近はイーサリアムチェーン同様トランザクションが非常に混雑しています。
BTC-20によって大混雑に・・・
急ぎの対応は難しいので、余裕を持って送金しておきましょう。
購入したらBTCが全部消えた!?
Ordinalsはスマートコントラクト機能を備えていません。
仮に0.005BTC保有していて0.001BTCで販売されているOrdinalsを購入した場合
0.001BTCだけ支払うのではなく、0.005BTCを投げるかたちになります。
※ガス代や手数料を考慮していません
え?戻ってくるの!?
ご安心ください。ちゃんと戻ってきます。
- 0.005BTCを一旦投げる
- 0.001BTC引かれる
- 残高0.004BTCを投げ返される
そのため、一時的にウォレット残高がゼロになります。
トランザクションを見るには?
イーサリアムでは、イーサスキャンとなるものがありました。
BTCにも同様にチェックできるツールがあります。
「mempool」
こちらで現在のトランザクション手数料やブロックチェーンの使用量などもみれますよ。
Xverseウォレットの注意点
Xverseにビットコインを送金する際、「Recerve」からウォレットアドレスをコピーして・・・
3つあるけど・・・?
- Bitcoin:ビットコイン(BTC)用のアドレス
- Ordinals:Ordinals(ビットコイン版NFT)専用のアドレス
- Stacks:ビットコインのレイヤー2専用ウォレット(コイン/NFT同一)
Xverseウォレットにビットコインを送金する場合は、Bitcoinに。
Ordinals walletなどからOrdinalsを送付する場合は、真ん中のOrdinalsのアドレスに送付してください。
まとめ:Ordinalsを体験してみよう
ビットコインは誰でも日常的に金融取引ができるように「サトシナカモト」が設計したと言われています。
ビットコインのアップデートにより本来の目的から意図しない形でOrdinalsは誕生したことから、否定的意見もあります。
イーサリアム系の既存NFTでは難しかった、フルオンチェーンNFT。
限定性があるOrdinalsであれば、誰でも簡単に作成できるのは今までにない魅力です。
主流になる可能性を秘めているOrdinalsに、触れてみませんか?