仮想通貨の中でビットコイン、イーサリアムに次いで時価総額が高いテザー(USDT)というコインをご存知でしょうか?ビットコインとイーサリアムと何が違うの?どう違うの?将来性は?など深掘りしていきます。
仮想通貨の初心者の勉強に役立つようにできるだけ基礎知識をまとめていきます。
ポイント
- テザー(USDT)の特徴は?
- テザー(USDT)の抱える課題は?
- テザー(USDT)今後の行方は?
テザーとはどんな仮想通貨ですか?特徴はこの3つ
- 時価総額は2022年4月現在3位
- 価格が1ドルと連動しているイーサリアムネットワーク上のステーブルコイン
- スイスの都市ルガーノは、テザー(USDT)を法定通貨
それぞれ解説していきます
テザーの時価総額は2022年4月現在3位
テザー(USDT)は、アメリカTether Operations Limited社によって発行された仮想通貨で、イーサリアムのブロックチェーン上にあるERC-20トークンです。
Tether Operations Limited社による発行された仮想通貨のため、中央集権的要素が含まれています。
イチ企業や国が管理や運営に入っていることを中央集権と呼びます
仮想通貨の中での時価総額ランキングがビットコイン・イーサリアムに次いで3位の時価総額を誇っているのがテザーです。
ビットコインは仮想通貨上のゴールド【デジタルゴールド】イーサリアムは仮想通貨のインフラ的役割を持っています。
では、テザーはどのようにしてこのような時価総額を持つことになったのでしょうか?
価格が1ドルと連動しているステーブルコイン
テザー(USDT)はTether Operations Limited社が、テザー(USDT)発行枚数と同量のドルを担保として保有していることにより、1ドル=1USDTとしての価値を担保しています。
仮想通貨ですが、現実世界の通貨(米ドル)と1対1でペッグ通貨として流通しています。
ペッグ通貨とは、別の通貨の価値と連動させることを目的とした通貨のことです
ドルと連動する仮想通貨のため、価格が他の仮想通貨と比べて安定しており、ステーブルコインと呼ばれています。
ステーブルコインとは
- ブロックチェーン技術を用いて、分散台帳に記録される数値であること
- 既存の金融システムに依存しないこと
- 複数の国々に存在する仮想通貨取引所に上場されていること
- 国境を超える転々流通性を持っていること
安定している価格により、多数のトレードによる利益を求めていくより求めていくよりも仮想通貨内での避難場所として用いられることも多いコインのひとつと言われています。
スイスの都市ルガーノは、テザー(USDT)を法定通貨に
スイスの都市ルガーノは、テザー(USDT)やビットコイン(BTC)、スイスフランと連動するステーブルコインLVGA Points token(LVGA)の3銘柄を事実上の法定通貨にすると決定しています。
市民税や各種身分証発行手数料に加え、公共サービスに200以上の企業や店舗が対応するなどの広がりを見せています。
ドル基軸のステーブルコインのため価格安定がされているからこそ実現したのでしょう。
テザー(USDT)が拡大した理由
なぜテザー(USDT)なの?ドルと連動しているなら仮想通貨でなくてドルで充分では?と疑問に感じるかと思います。
ポイント
世界経済は、より多くのドルを求め続けている
世界一位の基軸通貨のドルは世界中のどこでも基軸通貨としての価値を持っています。そして発展途上国が発展していくことで世界経済もより発展していくことになりますが、発展途上国では国家の信頼の証である「紙幣」を発行する力や能力、お金がありません。
日本円を見てください。様々な偽札対策を施されていますよね。偽札=国の信用をおとしめるため、そうならないためにも何重にも対策がなされています。そうした力や能力、そして生み出すお金が発展途上国にはありません。
紙幣やコインを製造する技術やそれを使えるレジとか必要ですからね
さらにお金の管理には銀行口座が必要ですが、発展途上国では銀行口座を所有できない人が7割いるというデータもあります。
銀行口座を開くには発展途上国には非常に高いハードルとなっています。なぜなら銀行は貸金業。低所得層に口座を開く=低所得者層にお金を貸す=返済がないといったリスクが高いから口座を開けないのです。
しかし、仮想通貨であれば、PCやスマホ一台あれば事足りてしまいます。
印刷や製造も必要なし偽造の可能性もなく盗難のリスクも低い、だがドルと同じ価値がある、となれば使い勝手もとてもいいですよね。
テザーのようなステーブルコインは今までの中間業社(主に銀行業)を排除でき、公平公正に金融サービスを使えるようにする手段として広がりを見せています。
テザー(USDT)の今後
テザーの課題は中央集権型であること
テザーがステーブルコインとして広がりを見せた反面、課題も浮き彫りになってきています。
テザーの課題はTether Limited社の強い中央集権のもと管理されていることに尽きます。
Tether Limited社がドルペッグとなるドルを抱えていることで、テザーの価値を担保しているのは先述した通りで、このTether Limited社が保有しているドルの情報は公開されています。
しかしそれが実際には所有していなければ?偽りの情報だった場合は?また、Tether Limited社が破綻した場合は?
そうした不安材料を抱えているのがテザーの課題です。
このリスクを「カウンター・パーティー・リスク」と言います
他の仮想通貨と比べてテザーはこのカウンターパーティーリスクが高いと言わざるを得ません。
テザーの今後
テザーは紙紙幣に取って代わるように運用されています。仮にそれが実現すると中間業社(主に銀行)が不要になり、誰でも公平に金融業が利用できるようになります。
紙幣だと銀行に貸し出す(預ける)ことで銀行が借りたい人(個人や企業)を見つけて貸し出すことをしていますが、そうした金融業を個人が世界中の誰にでもできるようになります。
これは既に行われているサービスで、Defi(分散型金融)と呼ばれるシステムです。
テザーではこうしたDefiなどのサービスが拡大・成長していくとニーズが高まると言われています。
テザー(USDT)が、マルチチェーンネットワークであるポルカドット上で稼働する最初のステーブルコインになると発表しています。
Kusamaネットワークでテストが完了するとポルカドットでも発表されるとされています。
ポイント
- ポルカドットとは、異なるブロックチェーンでも安心してネットワーキングすることを可能にした仮想通貨
- Kusamaネットワークとは、ポルカドットと同様、異なるブロックチェーン同士を繋ぐネットワーク
テザーという仮想通貨とは
まとめ
- Tether Operations Limited社が発行した米ドルペッグしたイーサリアムネットワーク上の仮想通貨
- 米ドルのパワーを使いたい発展途上国を中心に拡大中
- Tether Operations Limited社次第ではテザーの価格に大きなマイナスインパクトをもたらすこともあり得る
ちなみに現在日本国内の仮想通貨取引所ではこのテザーを直接購入できません!残念!